体外受精とは正式には体外受精-胚移植(in vitro fertilization-embryo transfer:IVF-ET)と呼ばれ、卵子を卵巣から直接採取して体外で精子とかけ合わせ、得られた受精卵を母親の子宮内に戻して妊娠を成立させる治療法です。この方法は、一般不妊治療と異なり保険適応外の治療ですが、現在本邦では年間数万人以上の患者さんがこの治療を受け、顕微授精や融解胚移植を含めると一年間に一万人以上もの赤ちゃんが誕生しています。現在までにわが国だけでも体外受精で生まれた子どもの数は20万人を超え(世界では2008年に400万人超)、2007年には誕生した赤ちゃんの実に55人に1人が体外受精による赤ちゃんとなっており、すでに日常的に広く定着した治療法であると言えます。