妊活 男性不妊

「男性不妊」という言葉が少しずつ広まっている一方で「何に気を付ければよいのか」「改善できるのか」といった知識はまだまだ知られていないことも多々あります。

日々の生活から見直せる男性の妊活についてパートナーと一緒に妊活に取り組むためにも、2人で正しい知識を知っていきましょう。

◆男性不妊の現状

まずは男性不妊の現状について現在、不妊カップルのうち3割〜5割は男性側に原因があるとされています。

その主な原因としては精子が少ない(もしくは無い)精子の質が悪い勃起不全などがあり、原因を知るためには病院での検査が必要となります。

今回はその中でも一番多いとされる「精子の質の低下」をピックアップして、精子の質が低下する原因や日常生活で見直していきたい点についてみていきましょう。

◆精子の質が低下するのはなぜ?

精子の質、とひとことにまとめていますが、精子の質は「運動率」「形」「精液の量」などによって決められています。

精子の質が低下する原因としては、性染色体の異常による性腺機能不全や、精索の静脈がこぶ状に拡張する精索静脈瘤などがあげられますが、精子の質が低下している男性のうちおよそ70%が原因が不明なのです。

では、なぜ精子の質が低下してしまうのでしょうか? その原因はもしかしたら日々の生活に潜んでいるかもしれません。近年、いくつかの研究によって精子の質が生活習慣に関係していることが明らかになってきました。

◆生活習慣を見直すだけで症状が改善されることも!

質のいい精子を作り出せないという症状が重度でなければ、生活習慣を見直すことで改善される場合があります。

ここからは日々の生活の中で、精子の質を低下させる可能性があるものをとりあげ、どのように改善していけばよいかみていきましょう。

喫煙はNG?

たばこに含まれる有害物質が、精子の数、形や運動率を低下させ、禁煙によって精子の機能が改善されたという研究結果が出ています。また、喫煙によって体内の活性酸素が過剰になることで、精子のDNAが損傷する恐れも。喫煙されている方は禁煙されることをおすすめします。

お酒はどこまで飲んでいい?

過剰なアルコールの摂取は精子の質を低下させる場合があるという研究結果もあります。具体的な原因はまだ明らかになっていませんが、お酒は飲みすぎず、控えめに摂取することをおすすめします。

肥満が精子の運動率を下げる?

BMIが高くなるほど、精子の運動率は低下するといわれています。また最近では、BMIが低すぎる場合も、精子の質に影響する可能性が示され始めています。妊活中の男性は、健康的な適正体重をキープするよう心がけていきましょう。

禁欲したら妊娠しやすい… はウソ?

「精子の質を上げるために禁欲した方がいい」「精子をためておくことで妊娠しやすくなる」というウワサがありますが、長時間の禁欲は精子の数を減らしてしまったり、運動率をさげてしまったりする場合があるのです。具体的な日数は明らかになっていませんが、禁欲から3日前後で運動していない精子の数が増え始めると考えられています。過剰に禁欲することは避けることをおすすめします。

食生活で気を付けることは?

妊活中の女性の中にも、日々の食事を見直されている方がたくさんいらっしゃいますが、男性の場合もバランスの良い食事を摂ることが大切であるとされています。

精子の質の低下を招くと考えられている栄養素は、糖質脂質タンパク質などであり、これらを過剰に摂取することは避けることをおすすめします。

逆に、精子の質を高める栄養素としては、ナッツや魚に多く含まれるオメガ-3脂肪酸(DHA+EPA)や、改装や魚介類に多く含まれる亜鉛などがあげられます。これらの食材を取り入れ、バランスのいい食事を心がけましょう。

「精子の質が低下している」と診断された男性の中には、もう駄目だ、と自信をなくしてしまう方も少なくありません。

しかし、生活習慣を少し見直すことで改善される場合もあります。まずはできることから少しずつ、ご自身の生活を見直していきましょう。