妊娠できる卵子

何年も避妊をしていた人でも、避妊をやめれば翌月にでもすぐに妊娠できそうな気がしてしまうもの。そして、妊娠の兆候がないまま何ヵ月が経つと「不妊症では?」と不安になってしまう人も少なくありません。

でも、その焦りは、ほとんど場合、妊娠の仕組みを勘違いしているだけなのです。

「妊娠できる卵子」は4個に1個だけ

昔、学校の保健体育の授業で、妊娠の仕組みをどんなふうに教えられたか思い出してみてください。「卵巣から1個の卵子が選ばれて排卵し、精子と出会って受精が起きる」という話を先生から聞かされませんでしたか? そして、あなたはその話を聞きながら、卵子と精子が出会ったら必ず妊娠してしまうとイメージしたのではないでしょうか?

ところが実際の卵子と精子は、出会っても受精しなかったり、受精してすぐ消えてしまったりすることが多いのです。そんなふうに誰もわからないドラマを繰り返しているうちに、やがて「妊娠できる卵子」が出てきて妊娠反応テストが陽性になるわけです。

「妊娠できる卵子」が出てくる確率は、高齢妊娠ではない人でも4回に1回くらいと言われていますから、卵子の世界はなかなか厳しいのです。

つまり、ほとんどの女性は毎月の生理に妊娠のチャンスがあると考えているものの、実際は、出産に結びつく生理は単純計算で年に3回しかないのです。これは誰にでも当てはまる話ですから、避妊をやめた後しばらく妊娠しなくても心配する必要はありません。